【課題解決】アルミ部品に使われるネジインサートの全数検査を省力化
近年、5G・IoTの普及やEV(電気自動車)シフトによって、半導体のニーズが増加。それに伴い、半導体製造装置の需要も急増しています。
半導体製造装置には、軽量でアウトガス特性に優れたアルミ合金が多く採用されていますが、そこで課題となっているのが、薄肉アルミ部品に使われる「ネジインサート」の検査工程です。
この記事では半導体製造装置メーカーにおける、検査工程のお困りごとをご紹介します。
ネジインサートの全数検査の課題
ネジインサートは、ネジを切ったあとに補強材として埋め込むコイル状の部品です。アルミ・樹脂などの柔らかい材料や薄肉の部品など、そのままではネジ穴の強度を保てないような場合に使われます。
ネジインサートは、下穴にタップを立てた後、手作業や電動タッパーによって挿入されます。しかし下穴がうまくあいていないと、ネジインサートが斜めに入ってしまい、組み立て工程でネジ山がかじってしまうことがありました。
組み立てでネジ山がかじってしまうと、半導体製造装置のアームやターンテーブルが傾いてしまったり、振動でネジが緩んで脱落するなど、深刻な不良品となってしまいます。そのため検査工程では、ネジインサートに実際のボルトを挿入し、ネジがスムーズに通るかを手作業で全数検査していました。
現場では人手不足解消のため省力化が進められていますが、検査工程がボトルネックになっており、作業者の負担を減らしたいとの声がありました。
POINT課題のポイント
-
- ネジインサートが斜めに入ってしまい不良品が発生
- ネジインサートの全数検査を効率よく行いたい
全数検査の効率化を「電ドラボール」で解決
半導体デバイスや液晶パネルなどの製造装置には、電磁波や熱反射、アウトガス特性に優れたアルミ合金が多く採用されています。アルミ合金は軽量で耐食性も高いため、EV向け部品や光学機器、医療機器などの分野でも広く使われています。
柔らかいアルミ合金の組み立てには、ネジインサートが欠かせず、今後もネジインサートのニーズと、全数検査の必要性は高まっていくと予想されます。
そこで採用されているのが「電ドラボール」です。
電ドラボール〈220USB〉は、電動の力でネジの早締めをアシストするハンドツール。電動アシストで検査用ボルトを素早く着脱することで、ネジインサートのネジ山検査をより効率的に行うことができます。
<220USBのトルクと回転数比較表>
電ドラボールの仮締めトルク値で検査用ボルトを出し入れすることで、ネジ部のかじりやネジインサートの斜め入れによる負荷を判別することもできます。
効率的なネジインサートの全数検査で、現場の不良品削減におこたえします。
POINT解決のポイント
- 検査用ボルトを素早く着脱できる
- ネジインサートの全数検査が効率化
またネジインサートの挿入不良を減らすには、ツールアーム(VAB-5)が便利です。作業者の熟練度に関係なく、タップを垂直に立てることができ、タップの精度が安定します。
ツールアームは、家電製品などの板金にタップを立てる「バーリング作業」にも便利です。
◎関連記事:ツールアームによる作業補助で正確なタップ加工が実現
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