【課題解決】フィルム裁断時の静電気除去で品質向上が実現
医療分野や自動車部品向けなど、さまざまな業界で使われているフィルム製品。品質の高いフィルムの製造には、スリッター(切断機)による精密な裁断が欠かせませんが、そこで課題となっているのが静電気による品質不良の発生です。
この記事ではフィルム業界における、フィルムの裁断工程でのお困りごとをご紹介します。
フィルムの裁断工程の課題
従来フィルム製品は、幅の広いフィルムロールの原反から、ユーザーの用途に合わせて裁断されています。裁断にはスリッター(切断機)が使われ、巻き出しされたフィルムシートがスリッターを通過し再び巻き取られることで、所定の幅に裁断されていきます。
しかし原反から巻き出しされる際の「剥離帯電」や、スリッターを通過する際の「摩擦帯電」によって静電気が溜まり、さまざまな問題が発生していました。
静電気によって発生する問題
・フィルムの蛇行による巻き乱れ
・フィルム搬送時の作業者への電撃
・ホコリの吸着や異物混入
スリッター装置内ではフィルムが高速で通過するため、静電気の発生が避けられません。
現場では「フィルムをきれいに巻き取りたい」「作業時の電撃をなくしたい」「ホコリの付着をなくしクリーンな製品をつくりたい」との声が上がっていました。
POINT課題のポイント
- 静電気による巻き乱れで困っている
- 静電気による電撃をなくし、安全に作業を行いたい
- 静電気による異物混入で困っている
フィルムの帯電を「イオナイザー」で解決
フィルムの巻き出しの際に発生する静電気は、数十キロボルトと非常に高圧。帯電が装置の制御に影響を与え、誤作動の原因となることもあります。またスリッターの刃物に切断屑を寄せつけてしまい、カットの寸法精度や仕上がりに影響してしまうことも。
そこで採用されているのが「イオナイザー」です。
巻き出し・断裁・巻き取りの各工程にイオナイザーを設置することで、スリッター加工時の静電気を除電することができます。
巻き出し工程
バー型イオナイザー「ACパルス・イオンバー〈Cシリーズ〉」を使い、剥離するフィルムを除電。豊富なサイズから、フィルム原反の幅や装置の幅に合わせて選べます。
イオナイザーをフィルムに近接させることで、イオンバランスが自動調整され、精度の高い除電が可能です。
断裁工程
バー型イオナイザー「静電気除去ハイパワーバー〈HPBシリーズ〉」を使い、断裁中のフィルムを除電。刃物への切断屑の付着も防止します。
バー断面サイズが小さいため、スリッターの狭い装置内でも設置が可能です。
巻き取り工程
ファン型イオナイザー「静電気除去クロスフローファン〈CF-600/CF-300〉」を使い、巻き取り前のフィルムや、巻き取り後のロール全体にイオンを送風。巻き乱れや作業者への帯電を防止します。
高機能フィルムの除電で、現場の生産性向上におこたえします。
POINT解決のポイント
- 静電気による巻き乱れがなくなり、生産性が向上
- 静電気による電撃がなくなり、作業が効率化
- 静電気による異物混入がなくなり、品質向上が実現
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