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【特集】ベッセルの作業工具へのこだわり〈ワイヤーストリッパー編〉
私たちベッセルのものづくりの歴史は、手廻しのドライバーからスタートしました。使いやすさにこだわったドライバーの設計思想は、電気工事のケーブル工事にかかせない「ワイヤーストリッパー」にも受け継がれています。現場で使いやすいワイヤーストリッパーの条件は、いかに芯線を傷つけずに被覆を剥けるか。近年ではファクトリー・オートメーションから通信設備まで、さまざまな分野で、ベッセルのワイヤーストリッパーが活躍しています。
私たちベッセルのものづくりの歴史は、手廻しのドライバーからスタートしました。
使いやすさにこだわったドライバーの設計思想は、電気工事のケーブル工事にかかせない「ワイヤーストリッパー」にも受け継がれています。
現場で使いやすいワイヤーストリッパーの条件は、いかに芯線を傷つけずに被覆を剥けるか。近年ではファクトリー・オートメーションから通信設備まで、さまざまな分野で、ベッセルのワイヤーストリッパーが活躍しています。
この記事では、電気工事を快適にするベッセルのワイヤーストリッパーの特徴と、そのこだわりについてご紹介します。
従来の手動ワイヤーストリッパーの課題
手動ワイヤーストリッパーは、電線ケーブルの被覆を剥くための専用ハンドツールです。
刃部に電線ケーブルの太さに応じた丸穴が開いており、適合するケーブルを挿入し、挟み込むことで被覆を切り込みます。そのまま電線を引き抜くことで、芯線を残しながら被覆を剥くことができます。
芯線はキズをつけてしまうと、電線ケーブルの折れや発熱の原因となるため、正確に剥く必要があります。
従来のワイヤーストリッパーは、電線が曲がっていたり、刃にまっすぐにワイヤーをセットしないと、被覆を引き抜く際に芯線に刃があたり、キズをつけてしまうことがありました。
剥きやすさの決めては「真円」
熟練作業者の間では、ワイヤーストリッパーを握り込んでから、少しグリップを緩めて被覆を引き抜くのが、キレイに剥けるコツとされています。しかし現場では、生産設備や通信機器などのケーブル工事の需要が増えるなか、誰にでも正確に作業ができるワイヤーストリッパーが求められていたのです。
そこでベッセルが開発したのが、手動式ワイヤーストリッパー〈No.3500シリーズ〉です。
そのこだわりは「刃部の穴径」。ダイヤモンドで刃部の内径を精密研磨することで、握り込んだ時の穴径を「真円」になるように仕上げています。
握り込んでも芯線に触れず、そのまま被覆を引き抜くことができるため、手の感覚に頼らない確実なストリップが可能になりました。
従来のワイヤーストリッパーとの比較
日本では電線の太さを表す指標に「SQ(スクエア)」が多く使われていますが、UL規格が用いられるロボットケーブルや、信号伝達線などの産業分野では「AWG」が慣用的に使われています。
ベッセルのワイヤーストリッパー〈No.3500シリーズ〉は、発売当時から刃部にAWGを記載。グリップにはAWG、SQ(mm²)、mmの換算表を付けており、AWG表示の電線が使われる産業分野でも穴径を選定しやすくなっています。
AWGを基準とした、従来のワイヤーストリッパーとの比較は下記の通りです。
◎関連記事:ワイヤーストリッパーの選び方|AWG表記とSQ表記
刃部の穴径寸法比較
刃部の穴径においては、従来のワイヤーストリッパーとくらべ、よりAWGの芯線サイズに近い寸法となっています。そのため握り込んでも芯線に刃があたらず、被覆だけをより正確に引き抜くことができます。
AWG | AWG14 | AWG16 | AWG18 | AWG20 | AWG22 | AWG24 | AWG26 | AWG28 | AWG30 |
他社製 | 1.666 | 1.363 | 1.087 | 0.936 | 0.811 | 0.688 | 0.583 | 0.468 | 0.386 |
ベッセル | 1.995 | 1.621 | 1.323 | 1.124 | 0.874 | 0.679 | 0.605 | 0.498 | 0.418 |
引き抜き荷重の比較
引き抜き荷重においては、従来のワイヤーストリッパーとくらべ、刃部の穴径精度が高い分、引き抜きにかかる荷重も低くなっています。
何十本もストリップ処理をしなければならない組ハーネス作業では、引き抜き力の低減が疲労の軽減にもつながります。
AWG | AWG14 | AWG16 | AWG18 | AWG20 | AWG22 | AWG24 | AWG26 | AWG28 | AWG30 |
他社製 | 78 | 58 | 26 | 25.3 | 15.5 | 14 | 10.5 | 23.3 | 8 |
ベッセル | 42.3 | 35.7 | 13 | 25 | 9 | 17 | 8.5 | 18 | 7.5 |
使いやすさへのこだわり
ベッセルのワイヤーストリッパー〈No.3500シリーズ〉は、電気工事のプロ用途から、DIYなどのアマチュア用途まで、被覆剥きの必須工具として幅広いユーザーに愛用されています。その理由は剥きやすさだけではありません。
現場ユーザーの声をもとに改良を重ねた機能の数々も、ベストセラーの理由のひとつになっています。
握りやすいグリップ
頻繁に使う工具だからこそ、手になじむ握りやすさや形状も重要なポイントとなります。
ベッセルでは、用途に合わせた2種類のグリップ形状で、正確なストリップ作業をサポートしています。
ディッピンググリップ |
ディビンググリップは、微妙な握り感覚が得られる薄肉の塩ビグリップです。 細い電子ワイヤーや通信ケーブルなどのハーネス加工に最適です。 薄くて携帯性が高く、狭い箇所の工事でも邪魔になりません。 |
エラストマーグリップ |
エラストマーグリップは、しっかり握れて手に優しい、クッション性の高いグリップです。 小型電気機器のハーネス加工をはじめ、屋内配線や配電盤作業などに最適です。 落下防止ワイヤーが取り付けることができ、高所の配電盤や工場のワイヤーハーネスなど、作業の幅が広がります。 |
作業性の高い付加機能
電気工事で使われる工具は、もちろんワイヤーストリッパーだけではありません。
現場ではカッターやプライヤーなど、さまざまな工具が使われますが、それらの機能の一部をワイヤーストリッパーに付加することで、現場での作業性を格段に向上させています。
ネジ切断機能 | M3/M4の小ネジ・ボルトを短く切断する機能です。 電子工作などに必要な基盤取り付けや、現場での軽作業に便利です。 |
プライヤー機能 | 電線の曲げや引っ張りに使うことができる機能です。 ちょっとしたプライヤー代わりとして便利です。 |
カッター機能 | 電線の切断に使うことができる機能です。 切れ味の良いカッターで、現場の切断作業を効率よく行うことができます。 |
ワイヤーストリッパーのスタンダートを目指して
ベッセルでは、今回ご紹介した手動式ワイヤーストリッパーをはじめ、被覆の種類や剥き方などの現場ニーズにあわせて、さまざまなワイヤーストリッパーを展開しています。
使う人あってこそのこだわり。今後も現場を支える工具メーカーとして、ワイヤーストリッパーのスタンダードを目指し、さらなる使いやすさに挑戦してまいります。