特集

【特集】ベッセルのSDGsへの取り組み

日本でも日増しに関心が高まっているSDGs(エスディージーズ)。SDGsは、2015年国連サミットで採択された「持続可能な世界」を実現するための国際目標です。 17の目標と169のターゲットから構成され、150を超える加盟国首脳の参加のもと発展途上国・先進国がともに手を取り合い「地球上の誰一人として取り残さない世界(leave no one behind)」の実現を誓っています。

日本でも日増しに関心が高まっているSDGs(エスディージーズ)。SDGsは、2015年国連サミットで採択された「持続可能な世界」を実現するための国際目標です。
17の目標と169のターゲットから構成され、150を超える加盟国首脳の参加のもと発展途上国・先進国がともに手を取り合い「地球上の誰一人として取り残さない世界(leave no one behind)」の実現を誓っています。

わたしたちベッセルが携わる「製造業」では、大量生産・大量消費によるCO2排出やプラスチックごみ問題など、多くの課題を抱えています。
そのようななかベッセルでは、限りある資源を循環させながら持続可能な社会をつくりあげるため、「脱プラスチック」「プラスチックの3R(リデュース・リユース・リサイクル)」を目指し行動しています。

この記事では、ベッセルのSDGsへの取り組みをご紹介します。

ベッセルの「つくる責任、つかう責任」

大量生産しやすくコストが低いため、さまざまな製品に使われているプラスチック。世界中の工場で使われているベッセルのドライバーハンドル(持ち手)も、その多くがプラスチックでできています。
近年では、環境意識の高まりから「工場で使用する製品は、少しでも環境に配慮したものを購入したい」などの声をいただくようになりました。
ものづくりを支える工具メーカーとして、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」がもとめられているのです。
そこでベッセルでは、時代にあわせた環境に優しいドライバー製造にチャレンジしています。

深刻なプラスチックごみについて

プラスチックごみは自然界では分解されにくく、海に流れることで生態系にさまざまな悪影響を及ぼします。細かく裁断された「マイクロプラスチック」は、海の生き物を経てやがて人体に取り込まれ、健康被害の原因になることも。
プラスチック削減に取り組むためにはリサイクルだけでなく、分解されやすいプラスチックや代替材料の開発も重要なテーマとなっています。

「クリスタラインドライバー」と環境配慮

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1974年発売の「クリスタラインドライバー」のハンドルには、セルロースアセテートと呼ばれる植物性の樹脂を使用しています。

セルロースアセテートは、「酢酸」と「セルロース(木材や綿花)」を原料とした天然由来の素材で、海に流れても加水分解され自然に還る特性があります。

セルロースアセテートは薬品や油に強く、手に良くなじみ衝撃にも強いことから、ベッセルでは環境問題が大きくなる以前から、この「セルロースアセテート」を使ったドライバーを製造しています。

 

「メガドラ」とプラスチックリサイクル

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1997年発売の「メガドラ」のハンドルには、プラスチックリサイクルを考慮した設計・製造の工夫が施されています。
メガドラのハンドル部は、高度な射出成形技術により、「インナーコア(ポリプロピレン)」「硬質樹脂(ポリプロピレン)」「エラストマー樹脂」の3重構造となっています。
インナーコアには、ハンドル成形時の不要ランナーからリサイクルされた「再生樹脂」を使用。インナーコアは不要ランナーの樹脂量を計算した上で緻密に設計されており、工場内でプラスチックが循環する仕組みを構築しています。

「ウッディドライバー」と新素材

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2014年発売の「ウッディドライバー」のハンドルには、間伐材(表皮側の使えない部分)からつくられた木粉を70%配合した、バイオマスプラスチックを使用しています。
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バイオマスプラスチックは、石油資源の使用を抑えるだけでなく、焼却処分しても有害ガスが発生しません。
まるで木のような質感でグリップ力が高く、ドライバーハンドルに最適な新素材として期待が高まっています。

SDGsを続けていくために

製造業におけるSDGsは、EV(電気自動車)によるカーボンニュートラルや工場のCO2排出削減などの大きなテーマばかりではありません。作業に欠かせない小さな工具を見直すことで、大きな環境貢献につなげることもできるのです。
工具メーカーとしてSDGsに取り組むためには、環境への配慮だけでなくユーザーのみなさまに選ばれる商品開発が必要だと考えます。
持続可能な社会の実現に向け、ベッセルのドライバーが環境保護を考えるきっかけになれば嬉しいです。