エアーニッパー
2023.09.27
【基礎知識】エアニッパーの種類と、手動式・自動機用の特徴
エアーニッパーは、圧縮空気を動力源としたエアツールのひとつです。射出成形時のゲートカットや、金属の切断、穴あけ、かしめなどの作業を、強力なエアの力で効率的に行うことができ、樹脂成形から金属加工まで、ものづくりの現場で広く使われています。
ベッセルでは、作業者の負担を軽減する「手動式」や、装置に組み込んで使われる「自動機用」など、用途に合わせて幅広いラインナップをご用意しています。
エアーニッパーの種類
手動式（手持ちで使用）
自動機用（装置に組み込んで使用）
 固定式 |
装置に固定 | NRタイプ | 取付角度が調整できる |
|---|---|---|---|
| NSタイプ | 本体のねじ穴で機械に固定 | ||
| NKタイプ | 横方向からワークを入れられる | ||
| NFタイプ | コンパクトで省スペース | ||
 スライド式 |
スライドしてワークに密着 | NYタイプ | チャック盤の作動を妨げない |
| NTタイプ | 薄型で複数台取り付けに最適 | ||
| NBタイプ | 大きなワークに対応 | ||
 複動式 |
スプリング破損の心配がない | NWタイプ | ニッパータイプ |
| HWタイプ | ハサミタイプ | ||
 ヒートニッパー |
樹脂を溶かしながらきれいにカット | エアタイプ | エア駆動 |
| ハイドロタイプ | エア＋油圧駆動 | ||
| サーボタイプ | サーボモータ駆動 |
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手動式エアーニッパー
手動式は、手持ちで使用するエアーニッパーです。本体をホールドし、レバーを握ることでブレードが動きます。
ハンドニッパーでは切断が難しい金属の切断や、穴あけも楽に行うことができ、作業者の負担が少なく、作業量の多い生産ラインに最適です。
Nタイプ
丸型の標準的なレバー式エアーニッパーです。
ハンドニッパーによる疲労を軽減することができ、樹脂や金属の切断・かしめ・曲げ・穴あけに最適です。
滑り止めローレットや、安全レバー（オプション）付きで、安全で効率の良い作業が実現します。
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Hタイプ（エアーハサミ）
ブレードにハサミを採用した、レバー式エアーニッパーです。
手バサミによる疲労を軽減することができ、布生地、綿糸、ポリマー素材のアラミド繊維などの切断に最適です。
切りたいものを逃さず確実に切断することができ、作業効率が上がります。
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NZタイプ（ラン支柱カット）
園芸で使われる蘭の支柱カットに特化した、レバー式エアーニッパーです。
手作業では大変なビニール支柱（番線#10、#8）の切断を、効率よく行うことができます。
ウレタンカバー付きで切断後に支柱が飛び散らず、安全な作業が可能です。
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自動機用エアーニッパー
自動機用は、ロボットハンドや射出成形機などの自動機に組み込まれて使われるエアーニッパーです。
射出成形のゲートカットの精度向上や、ブロー成形後の穴あけの自動化など、高い生産性と切断精度で、現場の生産性向上を実現します。
固定式
固定式は、装置に固定して取り付けるエアーニッパーです。
NRタイプ（丸形）
取付角度が自由に調整できる、丸形のエアーニッパーです。
ニッパー機能だけに絞っているため軽量で、側面の吸気口も180°自由に調整※できるため、さまざまな装置に取り付けができます。
自動化ラインでの樹脂や金属の切断、かしめ・曲げ・穴あけに最適です。※NR50F除く
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NSタイプ（角型）
本体のねじ穴で機械に固定する、角型のエアーニッパーです。
他社製にくらべ軽量で、側面の吸気口も180°自由に調整できるため、さまざまな装置に取り付けができます。
樹脂成形品のゲートカットや溶接自動機、巻き線機など各種線材のカットに対応します。
ブレード・ブレードピンの交換がかんたんなスナップピン式（NS20／NS30）や、刃開きを調整できるタイプ（NS20H-1／NS30H-1）もあります。
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NKタイプ（突っ切り）
横方向からワークを入れられる、突っ切りタイプのエアーニッパーです。
幅の広いワークを薄手方向からカットすることができ、切り口が波立ちません。
ブレード上刃を固定し、増幅したエアでブレード下刃を瞬時に閉じることによって、フィルムゲートや巻き線などを精度よくカットすることができます。
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NFタイプ（ヨコ型）
装置内への取り付けを考慮した、ヨコ型のエアーニッパーです。
狭い装置内でも干渉しにくく、スペースを有効に利用した高密度の取り付けが可能です。
ロボットハンドやチャック盤への取り付けで、カット残りの少ない精度の高いカットが実現します。
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スライド式
スライド式は、本体がスライドすることで、ワークに密着してカットができるエアーニッパーです。
NYタイプ（ヨコ型）
ゲートカット機や待機ジグ、チャック盤への取り付けを考慮した、ヨコ型のスライド式エアーニッパーです。
本体の高さが低く、ワーク取り出し時にチャック盤の作動を妨げません。スムーズなスライドでガタ付きも少なく、ゲートにぴったり密着し精度の高いゲードカットが実現します。
24時間稼働の生産ラインには、ブレード開閉にスプリングを使用しない複動式（GT-NY10S／GT-NY20S）がおすすめです。
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複動式の製品例 -
複動式の動作例
NTタイプ（タテ型）
ゲートカット機や待機ジグ、チャック盤への取り付けを考慮した、タテ型のスライド式エアーニッパーです。
業界最小幅19mm（NT03）の省スペースで、高密度の取り付けが可能です。スムーズなスライドでガタ付きも少なく、ゲートにぴったり密着し精度の高いゲードカットが実現します。刃開き幅の調整ができ、ニッパー設置後の微調整がかんたんで、ブレード表裏の交換も可能です。
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NBタイプ（ブラケット／Wスライド型）
角型エアーニッパーをブラケットで固定した、スライド式エアーニッパーです。
大きなワークに対応でき、切断の瞬間に大きな衝撃が加わる大径のゲートカットでも、スムーズな連続スライドが実現します。
Wスライド型では、通常のニッパーが入りにくい場所でも、本体を挿入しゲートに寄せてカットすることができます。スライド機構の精度をアップした、LMガイド付きのタイプもあります。
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Wスライド型の製品例 -
Wスライド型の動作例
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複動式
複動式は、リターンスプリングを用いないエアーニッパーです。ブレード開閉にスプリングを使用しないため、金属疲労や摩耗によるスプリング破損がなく、自動化ラインの24時間稼働に最適です。
ブレード開閉をスピーディかつ確実に行うことができるため、従来の単動式にくらべて、生産性が上がります。
NWタイプ（複動式エアーニッパー）
複動式のエアーニッパーです。
用途に応じて、丸型・角型があります。
HWタイプ（複動式エアーハサミ）
複動式のエアーハサミです。
用途に応じて、丸型・角型があります。
ヒートニッパー
ヒートニッパーは、加熱したブレードで樹脂を溶かしながらカットするニッパーです。硬質樹脂のカット断面をきれいに仕上げることができ、アクリルなどの透明製品も白化なしにカットすることができます。
ヒートニッパーには、用途に応じて「エアタイプ」「ハイドロタイプ」「サーボタイプ」の3タイプがあります。
エアタイプ
エアを駆動源としたエアーニッパーです。
スピコンによるカット速度とヒーター温度の調整で、きびしいカット精度要求に応えます。
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- ヒートエアーニッパー（突切りタイプ）
ハイドロタイプ
エアの圧力をハイドロコンバータで油圧に変換した、エア＋油圧のエアーニッパーです。
エアの体積の収縮がなく、硬くて切りにくい樹脂材料でも、ブレードにかかる負荷を安定させることができます。
サーボタイプ
サーボモータを駆動源としたエアーニッパーです。
ブレードの移動量と速度をシーケンサーで制御することができ、ゲート手前は速く・切り始めはゆっくり・切り終わりはさらにゆっくりと刃を送ることで、バリのないきれいなカット断面を得ることができます。
エアーニッパーのオプションについて
タイミングコントローラー
スライド式エアーニッパーに接続して使用する、エアーのコントローラーです。
コンプレッサーからのエアーを、2段階に分けて時間差出力することができ、スライドのタイミングとカッティングのタイミングを、約0.5〜1.5秒の間で調整することができます。
自動機や射出成形機との連動で、高精度・高効率のカットが実現します。
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増圧ユニット
Nタイプ・NRタイプ・NSタイプに取り付けて加圧力をアップさせる、エアーの増圧ユニットです。
スペースの都合で小さな機種しか使えない場合や、エア圧の制限で十分な加圧力が得られない場合に最適です。
増圧ユニットを使うことで、およそ1.6〜1.8倍ほど能力が向上します。
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スタンド
NRタイプ専用の取り付けスタンドです。
取付角度を自由に調整（0〜60°）することができ、ダイレクトゲートのスプールカットや自動機取り付け時の位置調整がかんたんです。
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