エアーツール
2022.04.15
【基礎知識】締め付けトルクについて
締め付けトルク
ねじを締め付けていくと、おねじはネジの螺旋に沿って中に入り引っ張られてわずかに伸び、また被締付物はねじの頭やワッシャーに押されてわずかに縮みます。
伸びと縮みのそれぞれに、元に戻ろうとする力が働き、ネジと被締付物が固定される「締付力」が発生します。
この締付力を得るためにボルト・ナットに加える力を「(締付)トルク」と呼んでいます。
トルクの単位
ねじを締めつけるときなどの回転力を表す単位は、ニュートンメートル(N・m)が使われています。
※以前はkgf・mが用いられていましたが、1993年に国際単位への移行が義務づけられました。
これは力と距離で計算されるもので、1メートル(m)の棒に1 ニュートン(N)の力を加えたときの回転力は、1 N・mになります。
1kgf・m=9.8067N・m |
1kgf・m≒10N・m |
1N・m≒0.1kgf・m |
トルクと締め付け力の関係
トルクと締め付け力の関係は、以下のような式で表されます。
締め付けトルク T=K d F
締付けトルク、(K)トルク係数、(d)ねじの呼び径、(F)締付け力
トルク系数(K)は、ねじと被締付け物との接触面の摩擦係数(μ)によって変化します。たとえば、摩擦係数を減らすとトルク係数が小さくなるので、少ない力で高い締付け力が得られることになります。
上記のようにトルクと締め付け力は、Kとdを係数とする比例関係にあります。これを利用してねじの締め付け管理をする方法が、「トルク(締め付け)法」です。
締め付けトルクの検査方法
増し締め法:
検査しようとするネジをトルクレンチを用いて追い締めし、ネジが回転し始める瞬間のトルク値を読み取ることで締め付け時のトルクを推定する。
戻しトルク法:
検査しようとするネジをトルクレンチを用いて少し緩め、その時のトルク値を読み取る。ゆるめトルクが分かれば締め付けトルクが推定できる。
マーキング法:
検査しようとするネジにマークをつけ、少し緩めてからトルクレンチを用いて再びマークの位置まで締め付けたときのトルク値を読み取る。